一枚の葉から、色の虹へ
摘みたての茶葉は、緑、黒、白、黄、赤、青と呼ばれる多様なお茶になります。
日常ではこれらをまとめて「発酵茶」と呼ぶことがありますが、厳密には多くが微生物による発酵ではなく、茶葉の酵素による酸化でつくられます。
まず、酸化とは
酸化は自然な現象です。茎から離れたり傷ついた植物は空気に触れて変化します。落ち葉の色が変わるのも、その身近な例です。
製茶では、酸化の進み具合が茶の色、香り、味を大きく決めます。
茶葉の中で何が起きるのか
茶葉には酸化に関わる酵素があります。揉捻で細胞が壊れると酵素が外へ出て、空気中の酸素と反応し、ポリフェノールを変化させます。
カテキン類は、紅茶の明るい橙赤色に関わるテアフラビンや、深い赤褐色と厚みに関わるテアルビジンなどへ変わります。
- 紅茶:十分に酸化を進めた茶。
- 烏龍茶:部分的に酸化した茶。品種や目指すスタイルにより、およそ10%から70%ほどまで幅があります。
- 緑茶:加熱で酵素の働きを早く止め、酸化をほとんど進めない茶。
では、本当の発酵は?
黒茶は、微生物の働きを利用する後発酵茶です。代表例は普洱茶。温度や湿度、時間を管理しながら熟成させ、年月とともに香味が変化します。
「酸化」と「発酵」は同じ言葉のように使われがちですが、変化を担う主体が異なります。その違いを知ると、一枚の葉から生まれる色の理由が見えてきます。





